【管弦楽】ポポフ:交響曲第6番「ロシアの祝日」から

わたしが知る限りにおいて、日本でも世界でもほとんど演奏されることはないが、ソ連音楽マニアの間では結構名が知れている曲のひとつ。冒頭のホルンが気高くも堂々と吹奏する第一主題は、次にバストロンボーンに引き継がれ、後にクラリネットが朗々と歌う牧歌的な第二主題とともに、曲の最後まで変奏に変奏を重ね、なんとも古典的な発想の大団円を結んでおしまいという、ソヴィエト共産党にちょっかいを出され、天性の英気がアルコール中毒によって荒廃してしまう彼自身の人生そのものを絵に描いたような作品である。全曲で35分程度、最初から最後までで一楽章という中から、普通の交響曲の第一楽章にあたりそうな、冒頭の14分間を取り上げた。この曲を聴いて「作りが陳腐だなぁ」「雑っぽい」「ちょこっと思考分裂気味?」と感じた人は多いと思う。スターリンを前に、専門家の高い評価を得ながら、お酒に逃げざるをえなかった彼。その作品は、歳を増すごとに大衆に迎合するスタイルになってしまったことは否めない。。ちなみに、わたしがガブリイル・ポポフが本領を発揮したと思う作品は、若い頃作曲された「交響曲第一番」である。聴けばわかる、彼の本当の才能と実力が。YouTubeで検索してなければ、アップロードも検討してみたい。

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https://youtu.be/CuKZ71A7gyQ